【大日本帝國陸軍(参謀本部)が作った伝単】
(1)アメリカ軍,オーストラリア軍兵士にむけた伝単

【その壱】
日本軍が大東亜戦争で米英軍,豪軍兵士にばら撒いた伝単は現存するものは非常に少なく
滅多にお目にかかれません。当時極端に物資の欠乏していた日本で軍部の作成した伝単は
美しいカラー印刷されていて軍部がいかに伝単を重要視していたかをうかがうことが出来ます。
特に世界でも例の無い「マジック(仕掛)伝単」は傑作中の傑作といわれています。


Your happiness at home in Australia.
 (君達のオーストラリアでの幸福を)


Sacrificed.
(犠牲にして)

 
That American was mongers may indulge in this!
(亜米利加の戦争屋達はさぞ満足しているだろう!)



【其の弐】
ダブルでいこう 色男の米兵(メルボルン駐留)
「オーストラリアの兵隊さんよ、前線で楽しくやってくれ。
おれはいま、お前さんの女・・・で手いっぱい。だからな」







【其の参】
これはこれでよしとして
(142mmx230mm)


(二つ折りの上を開いた状態)
このようなことが起こったら爆弾が破裂し、
機関銃の弾が的中し、鋭い銃剣が君を突き刺して
生きていたら、そして生きていたかったら、
今からでもおそくはない。







【其の四】
折り畳んだ伝単です。平和で、愛するガールフレンドを抱いている
オーストラリア青年が、紙を開くとジャングルで戦死した
遺体となっています。日本軍と戦う道を選ばず、
平和な生活を選べと、プロパガンダをしています。
上質の厚手の紙を使用してあります。

{二つ折の表}
あの忘れられない月夜の晩だったね。彼女のふくよかな
曲線美、体のぬくもりをしっかりと抱き寄せ、全身の血を
燃え上がらせ、我を忘れさせるような烈しい情熱的なキス。
もし君が武器を投げ捨てて降伏し、この地獄の穴から抜け出す
覚悟をすれば、こうした楽しい思い出に再びめぐりあうことが
出来るのだ。




{上に開いた状態}
しかし、もし君が抵抗をつづけるなら---美しい熱帯の月の下での死が、
君を待つているだけだ。君の体に弾丸の穴があき、苦しみながら死ぬ!
二つの選択のうち、いずれかを選べ











【其の五】
日本軍の色刷りの伝単です。戦地に赴く兵士には
死神がとりついている。
「SIREN」は美しい歌声で船人を惑わした
海の精ですが、胸も太もももセクシーな死神です。
魔女 若いの、気をつけろ!用心しないと、
そのレディにやられてしまうぞ。
いつたん彼女にしがみつかれると、
君は故里の緑の山を二度と見ることが
出来なくなる---
いまでさえ彼女のつかみ方は相当に
強いのだ---逃れる道はただひとつ---











【其の六】
ニューギニアのオーストラリア兵「今の悲鳴はいったいなんだ?」
オーストラリアにいる米兵「シー、シー静かに、お嬢さん気を落ち着けて
彼は次の死傷者リストにのっているから、心配はいらないよ。









【其の七】
マッカーサー将軍の感謝状を持つた米兵の死体
戦闘中死亡!ニューギニアのジャングルでの屍は、平和な永眠をもたらす。









【其の八】
日本軍参謀11課が民間から嘱託として徴用した、
主任大田天橋、那須良輔、松下井知夫、林勝世、長谷川中央の
五名で作画したもので、凸版印刷で作られました。
航空機から散布されたものです。
内容は「あなたがいなくなってから、トーマスは何度も私にいいよってくるの。
私本当に自信が無くなってしまつたわ・・・」12.5cmx18cm









【其の九】
「はめられた 君たちは戦いたくなかつた 祖国を離れたくなかったのに、政治家たちが君たちを強いたのだ」
13cmx18cm











【其の十】
幽霊の命令
ルーズベルト「なんじら米兵よ。行け。そして必要とあらば、オーストラリアが
空き屋になるまで食い尽くせ。米兵は最後のオーストラリア兵まで、戦うデであろう」









【其の十一】
オイお利口さん達
彼は来た。彼は見た。彼は征服した!おりこうさんの君たちが決して生きて帰ってこないと思つて、
黒人やヤンキーたちが君たちの妻や娘や恋人を犯しているぞ。君たちが守つてやらなければ、
彼女たちは絶望だ。君たちの将来の幸せは、正に風前の灯だ。オーストラリア人が一人減ることは、
ヤンキーひとりがその家にまんまと入り込むことだ。君たちはまさか、このために生命を
捧げるつもりはないだろう。











【其の十二】
さよならアメリカの兵士達よ!
日本軍がアメリカ軍用に撒いた物です。現地で回収されて、
米軍機関に勤務していた方の研究資料として保存されて
いたものです。米軍初期のイギリス軍型のヘルメットに、
骸骨の顔がアメリカ兵の未来を予感される描かれて
います。(13.5cmX20cm)です。

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【其の十三】
「君たちは我々の仲間だ。我々の敵はアメリカ軍だ!!」
アメリカ軍が逃げている図に、一等兵の日本兵が、フイリッピン軍の
兵士の煙草に火をつけています。18X12.5cm









【其の十四】
「覚えてる?」
いとしいあなた!なんとかして私のところに帰ってこられないの?
私とってもさびしいの。たまらないいとしさをこめて、
カードの裏に私のキッスをこめて送ります。140mmx90mm



【其の十五】
「欺瞞の島」
日本軍は弱い、軍需品の補給は大丈夫だ、援軍が来ると聞かされただろうが、
現実はどうだ?君達は今、恐るべき死か合法的降伏かの瀬戸際に立っている!



【其の十六】
You're a long way from home,boys,in hostile territory.
But don't worry,boys;your lives are not in immediate danger.Why?
because we'll not bother with you small fry.
It's much simpler to isolate you by cutting your life-line.
So fire away,boys,to your hearts'content!






(2)中国で撒かれた伝単

漫画風に日本軍の優勢を分りやすく書かれた数少ない実物伝単です。



国共合作的醜態(色刷り)
以下2点は上海海軍特別陸船戦隊員が持参されていた伝単です。
この隊員は昭和12年12月26日に散華されました。



南京政府滅亡







【対米日本軍伝単、対日米軍伝単の資料集です。】














【文献】

「紙の戦争伝単」:エミール社
「日本軍隊用語集」:寺田近雄著・立風書房
「戦場に舞ったビラ」伝単で読み直す太平洋戦争・一ノ瀬俊也著講談社/選書/メチエ
 を参考にしました。




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